天然資源の有効活用・竹の飼料活用技術を発表
しずおかの挑戦中小家畜試験場プロジェクト研究
日本畜産学会3月27日〜29日研究成果報告
静岡県中小家畜試験場では天然資源の有効活用を目的として産・官・学の連携により、先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「モウソウチク由来の生理活性資材の開発とその応用に関する研究」に取り組んでいます。これは、浜松市の刃物メーカーが開発した竹粉製造器『パンダ』を用いて、生竹を粉末にしサイレージ(乳酸発酵)化させ、家畜の飼料添加剤として活用する技術を開発するものです。
このプロジェクト研究成果を産・官・学が連携して継続利用できるよう3月27日〜29日に麻布大学で開催される日本畜産学会第107回大会において成果報告いたします。また、静岡県では、竹利用研究のモデル事業として、静岡県中小家畜試験場を中核として「佐鳴湖景観形成に係わる未利用資源活用研究」をテーマに、湖畔に繁殖する竹や葦の有効利用についても併せて検討を進めております。
中小家畜試験場では、これまでに下記の研究に取り組み各種の成果を得ております。
<研究内容>
1生理活性資材の開発
加工・貯蔵方法を検討。竹を粉末化し乳酸発酵させ、天然由来の生理活性資材を開発
2家畜飼育管理技術の開発
開発した資材を家畜の飼料添加剤として給与
既存の成果:・免疫機能の賦活化作用・腸内細菌嚢の改善・排せつ物の悪臭低減etc…
3機能性成分を有する鶏肉卵の作出
竹の持つ機能性成分(チロシン、フラボノイド、GABAetc…)→鶏肉・鶏卵への移行性の調査
この研究では、生竹粉末を乳酸発酵させたものを飼料添加し、次のような効果が解明されました。
肉用鶏を用いて資材を3%添加した区を試験区とし、経済性、肉質調査、免疫増強効果、抗酸化能測定、糞便調査、臭気調査等につき実施した。
1.発育成績に差は認められなかったが、解体成績では腹腔内脂肪量が対照区に比べ有意に少なかった。
2.肉色検査では試験区で赤色度が高い傾向がみられた。
3.免疫増強効果においては、試験区で液性免疫、細胞性免疫ともにピークが高く抗体価の持続が認められた。
4.抗酸化能調査においても試験区で有意に高い値を示した。
5.鶏糞性状では、竹粉添加により水分含量が低下し、臭気において臭気指数、アンモニア臭等が減少する傾向がみられた。
【竹粉製造器・パンダ】
浜松市の企業・MDK丸大鉄工株式会社が開発した、切り落とした生竹からそのまま竹の粉末を製造できる機械です。竹を粉砕する際に生じる危険な針状繊維を出すことなく、安全な竹粉に加工することができます。
□お問い合わせ先:〒431-3121静岡県浜松市有玉北町1300
TEL(053)433-1331/FAX(053)434-3878
これらの研究結果は、抗菌剤に頼らない『安心・安全』な鶏肉卵の消費者への提供、畜産業における生産性向上と環境に配慮した飼育方法をもたらすものと考えられます。また、新たな竹利用産業創造による放置竹林問題の抜本的解決も期待されるものとなります。
【日本畜産学会第107回大会】
開催場所:麻布大学神奈川県相模原市淵野辺1丁目17の71
発表期日:平成19年3月27日(火)〜3月29日(木)